だむろっしゅの文化活動部ログ

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【アート展】マルセル・デュシャンと日本美術

少し期間が空いてしまいましたが、上野の東京国立博物館で開催されている

マルセル・デュシャンと日本美術」に行ってきたのでご紹介していこうと思います。

 

フィラデルフィア美術館所有の150点近くの作品・資料を年代ごとに見ることができ、デュシャンというアーティストの生涯を辿ることができる展示会でした。

展示会名を「マルセル・デュシャン展」にした方がいいのではないかというくらいデュシャン推しで、正直、日本美術要素に期待して足を運ぶことはあまりお勧めできないです…笑

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マルセル・デュシャンって?

本展示会のメインはマルセル・デュシャン(Marcel Duchamp, 1887-1968年)という画家・彫刻家・チェスプレイヤー(!?)です。現代アートの父とも呼ばれ、革新的な作品を多く残しています。

 

フランスの裕福な家庭に生まれた彼は、最初は印象派の、次第にキュビズムの影響を受けた絵画を描いていました。

しかし彼が30歳のときに発表した『泉』という作品は、それまでの「芸術」の概念を揺るがすほどの革新的な作品でした。それは、既製品の男性用便器にサインをしただけだったのです。

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デュシャン『泉』 (Fontaine)

『泉』をはじめとした「レディ・メイド(Ready made)」というオブジェ作品群を始めとして、以降の彼の作品は常にそれまでの「芸術」に対して疑問を投げかけ続けるものでした。 

「芸術とはなにか」という思考・哲学を女性性や複製、時間など様々なテーマに絡めて作品を生み出していったアーティストといえるのではないかと思います。

どんな展示会なの?

デュシャンといえば『泉』のイメージが有名ですが、『泉』以前、『泉』以後、晩年の遺作まで様々な作品を見ることができます。彼の作品を彼の人生の歩みとともに見ることができる、いわば「デュシャン展」です。

絵画からレディ・メイドシリーズ、そのほかの彫刻などさまざまなデュシャンが堪能できます。

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『自転車の車輪』

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『トランク』

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『花嫁』

また、こちらの展示会ですが、そのタイトルにもあるように日本美術がもう一つのテーマとなっています。

デュシャンの作品に見られる「レディ・メイド」や「リアリズム」、「複製」といったテーマから日本美術を見てみようというコーナーです。

東洲斎写楽の浮世絵や平治物語絵巻などとても貴重な作品を見ることができます。

が、正直、デュシャンと比較するには少し無理があるのかなぁ…という印象でした。しかしながら国宝や重要文化財となっている作品もあり、それはそれとして、ぜひ足を運ぶ価値は大きいです。

まとめ

デュシャンというアーティストをメインテーマとして、彼の足跡をたどりながら、作品を見られるという「デュシャン展」としての一面、またデュシャンの用いたテーマを基に日本美術を見直してみるという芸術比較としての一面、そのどちらをも兼ね備えた良い展示会でした。

 

しかし、繰り返しにはなってしまいますが、これはやはりデュシャンがメインの展示です。デュシャンを楽しむ機会として足を運んでいただくのがよいのかなと思います。

彼はその生涯のなかで、デュシャンという名前を隠して、女性アーティストとして活動をしたり、と思ったらチェスプレイヤーとしてプロになったりと、まさに破天荒とも思える行動を取ってきました。

しかしながら、私はデュシャンはある信念の下に多くの作品を残してきたのだろうと考えます。この展示会で、彼の作品を年代別に見ることで、彼が何を考え、どのような哲学を持っていたのか、思考を巡らせながら鑑賞することをお勧めします。

私自身、デュシャンについてもっと考えたことがありますので、次回以降つづっていければと思います。