だむろっしゅの文化活動部ログ

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【映画感想】『ヒトラーと戦った22日間』

先日、ロシア映画ヒトラーと戦った22日間を鑑賞してきましたので、ご紹介しようと思います。

 

第二次世界大戦中にナチスドイツによって建築された絶滅収容所で実際に起こった実話をベースとした映画で、生きていることの意義を考えさせられる映画でした。

 

※公式Twitter

 

 

どんな映画なの?

タイトル:『ヒトラーと戦った22日間

(原題:Sobibor)

制作:2018年(ロシア・ドイツ・リトアニアポーランド合作)

監督:コンスタンチン・ハベンスキー

キャスト:コンスタンチン・ハベンスキークリストファー・ランバート、ミハリナ・オルシャンスカ ほか

 

 

 簡単にあらすじをまとめました。(ネタバレなし)

 

舞台は1943年、第二次世界大戦中のナチスドイツが建設したソビボル絶滅収容所ナチスドイツ兵によるユダヤ人の大量殺戮が行われる中、収容されたユダヤ人たちの中でひそかに脱出計画が企てられていました。そこにソ連軍兵士であるアレクサンドル・ペチェルスキーが収容されてきます。彼をリーダーとして、収容者たちが脱出を決行するまでの22日間の様子が描かれていきます。

 

是非ご自身の目でご覧になってもらいたいので、細かい展開や結末は省略しますが、ラスト30分の展開は、文字通り息を呑むシーンの連続です。

※PG12指定の映画ですが、R15+くらいでもいいのではないかと思うようなショッキングなシーンもありますので、苦手な方はご注意ください。

 

解説・感想など

 

・ソビボル絶滅収容所と収容者の脱走について

ナチスドイツの収容所といえば、アウシュヴィッツ・ビルケナウ収容所が有名ですが、他にも各地に収容所が設置されていました。そのうちの一つである、ソビボル絶滅収容所が舞台となっています。

映画で描かれるユダヤ人収容者たちの脱走劇は、1943年10月に実際に起きた出来事だそうです。

 

絶滅収容所について

ナチスドイツの絶滅政策のために建築された収容所です。主にユダヤ人を強制収容するための施設の中でも、絶滅(殺害)を目的とした収容所が絶滅収容所と呼ばれています。

設置された絶滅収容所は全部で6カ所あり、負の世界遺産としても有名なアウシュヴィッツ=ビルケナウのほか、ヘウムノ、ベウジェツ、ルブリン、トレブリンカ、そして今回の部隊となっているソビボルです。

 

映画の中では、ガス室での大量殺戮のほか、ナチスドイツ兵士が囚人たちをためらいなく殺害していく様子が描かれています。

絶滅収容所ナチスドイツによる蛮行については、否定論を含め、様々な議論がなされています。

 

・感想

多くの人に観てもらいたい作品でした。

 

作中では、ナチスドイツによるユダヤ人への非人道的な仕打ちが描かれています。物語序盤の楽隊の明るい演奏でさえも不安を感じさせてくる、何とも言えない不安定な空気感。これが終始続き、非人道的な行為にさらに絶望感を加えてきます。

このような雰囲気を作り出せるのは、さすがロシア映画という印象でした。

 

あくまでも映画作品として作り直されているものだとはいえ、当時は同様のことが行われていたのでしょう。たった数十年前に、同じ人間に対して、こんなにも無慈悲な仕打ちをしていたのかと思うと、本当に恐ろしいです。

 

多文化共生・多文化主義は、異なる文化や民族を認めるという立場ですが、突き詰めていくと自文化至上主義に裏返っていってしまう不安定さを持っています。

特に最近は、世界全体として後者の立場へ進み始めているような動きさえ見えます。そのことによって、直接、ナチスドイツのような思想が再来するとは言えませんが、その可能性があることは忘れてはいけないことであると思います。

 

どちらかが良い、どちらかが悪いといった二項対立で一方を打ち負かすのではなく、対話・相互理解によって、本当の意味での多文化共生が訪れ、この作品に描かれるような悲劇が二度と繰り返されないことを切に祈ります。