だむろっしゅの文化活動部ログ

旅行、アート、映画、カメラなどなど。だむろっしゅの文化部的な活動記です。

【アート展】大地の芸術祭2018

今回は新潟県にて開催されていた

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」についてレポートしていきます。

 

私はひょんなことから、会期中に2回、合計4日間回ることができたので、

概要とともにいくつかの作品をご紹介していきます。

 

 

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レアンドロ・エルリッヒ「Paimpsest:空の池」

 

 

どんなアート展なの?

新潟県の越後妻有地域で3年に1度開催される国際芸術祭です。

2000年に始まり、今回で7回目の開催でした。

 

通常のアート展とは異なり、越後妻有地域の広く様々な場所で作品が展示されており、

作品によっては古民家や廃校をそのまま使った作品まであります。

作品がいろんな場所に点在しているため、ゲストは各自で移動して作品を巡ることになります。

移動中この地域の豊かな自然や独自の文化、地域の方との交流を楽しむことができるのも、

大地の芸術祭の魅力の一つとなっています。

 

実際に、黄金色に輝く稲穂に驚かされたり、静かなブナ林の中を歩いたり、

妻有ポークや山菜などの地元の食材を使ったご飯をいただいたりと、

アートはもちろん、越後妻有という地域を存分に楽しむことができました。

 

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※妻有ポークや山菜、コシヒカリを使ったお食事

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大自然を感じられるのも魅力の一つ

 

どんな作品が見られるの?

大地の芸術祭に出展されている作品は約380点にものぼるそうです。

 私も1/4も回れていないくらいかと思います。

その中でもいくつかの作品を以下に紹介していきます。

 

ターニャ・バダニナ「レミニッセンス(おぼろげな記憶)」

奴奈川キャンパスという閉校した小学校の一室に作られた作品。

人間の記憶は覚えたてのときよりも、少し時間が経ってからの方がよく思い出せるという現象レミニッセンスという名前が付けられています。

教室には誰もが小学校の時に使ったことがあるであろうフラスコやビーカーなどの実験道具が並べられていますが、

薄い膜で覆われていて、おぼろげにしか見ることができません。

小学校という共通の思い出を使って、記憶の不完全性を表現した作品かなと考察します。

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※奴奈川キャンパスはそのほかにもいくつかの作品を見ることができました。

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KIGI「スタンディング酒BAR 酔独楽 よいごま」

十日町の美術館キナーレ内に設置されたスタンディングバー。

独楽として回すことができる盃で新潟の日本酒をいただくことができます。

サイコロを2つ投げ、出た目の組み合わせにより飲めるお酒の種類と盃の大きさが変わるという独特のお店で、地元出身の店員さんと語ることができました。

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田島征三「絵本と木の実の美術館」

 廃校になった小学校まるまる一つを使った作品。

実際にこの学校に通っていた3人の生徒を登場人物とした絵本『学校はカラッポにならない』の世界観を流木や和紙などを使って表現しています。

過疎地域の再開発・再利用が大地の芸術祭の目的の一つだと思うので、そうした視点から見ると最も成功している作品にあげられるのではないでしょうか。

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カリン・ヴォン・ダ・モーレン「これはパイプではない」

ナカゴグリーンパークの近くに設置された作品。

アートに詳しい方であれば、ルネ・マグリットの「イメージの裏切り」を想起するであろう作品名がつけられています。

マグリットはパイプの絵の下に「これはパイプではない」と文字をかいて一作品とすることで、書かれたパイプはどこまで突き詰めても本物のパイプではないことを表現しました。

この作品では明らかにパイプではないオブジェに対して、この作品名をつけることで、イメージの裏切り、のさらに裏切りをしようとしたのでしょうか。

いくら考えても自分なりの解釈に落ち着きませんでした。

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鞍掛純一+日本大学芸術学部彫刻コース有志「脱皮する家」

築150年を超える木造民家を壁や床、柱、天井、梁など至るところを掘り抜き、脱皮させることで作品として生まれ変わらせた作品。

案内の方に裸足で鑑賞することを勧められましたが、これが大正解。

足の裏からも削られた作品を感じることができました。

絵本と木の実の美術館と同様に、過疎化していく地域を再生させた素晴らしい作品でした。

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クリスチャン・ボルタンスキー + ジャン・カルマン「最後の教室」

こちらも廃校を利用したインスタレーション作品。

人間の生と死や不在などをテーマとするボルタンスキーの作品としては3作品目の鑑賞でした。

最初はお化け屋敷のようで不気味でしたが、1番奥まで進み、棚に並べられた物たちを見て、ここに生きた/生きている人たちの痕跡を残そうとした明るい作品なのかなと感じました。

詳しくは書きませんが、是非足を運んでご自身の五感で感じてもらいたい作品です。

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まとめ

大地の芸術祭という名前や全体のコンセプトにも打ち出されている通り、自然と人間の関係性にフォーカスした作品が多いアート展でした。

越後妻有という場所で開催することの意味、地域性を考えながら鑑賞することでさらに深く楽しむことができると思います。

作品の中には会期中以外にも鑑賞できる作品もありますし、3年後にはまた新規作品を加えて開催されます。

是非訪れて見てください。